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私の人生無駄ばかり…そんな日々。


by dugong156
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プレステージ(【注】ネタバレ含)

DVD レコーダーを買った時に付いてきた WOWWOW の1週間無料視聴の時に、「プレステージ」を録画した。解説の木村奈保子さんの言葉通りに何度か見直している私。(木曜洋画劇場に出ていた時に彼女を知った。知性がにじみ出てで結構好きな方。「あなたの心には何が残りましたか?」〆の言葉)

ヒュー・ジャックマン
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クリスチャン・ベール
アルフレッド・ボーデン
マイケル・ケイン
ハリー・カッター
スカーレット・ヨハンソン
オリヴィア
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ミスター・アレイ
パイパー・ペラーボ
ジュリア
レベッカ・ホール
サラ
リッキー・ジェイ
マジシャン

以下ネタばれ注意。



未だに分からないのはそのシーンそのシーンのボーデンがどっちのボーデンかって事で。だから一気に考察しようなどと思ってしまった。(我ながらくだらんことを‥‥(* ̄▽ ̄;A)

便宜上、印象から静ボーデン動ボーデンとしよう。
静ボーデンは比較的大人しく、人を馬鹿にするような態度をとるタイプではないようだけど、動ボーデンは攻撃的で、少し傲慢な所がある。静と動、大人しいのとやんちゃ、真面目と遊び人、などなど色々印象はあるだろうけど、一番短いので。

最終的に絞首刑になってしまったのは、オリヴィアを愛したボーデン。ラスト近くにファロンと相対峙するボーデンの台詞からこれは間違いない。
で、あれこれ考えている内に頭がウニになっていく訳だけど‥‥。

女性との組み合わせは、サラと静ボーデン、オリヴィアと動ボーデンの組み合わせだと思うんだけど、そうすると前述のは動ボーデンということになる。
でも、彼のボーデンの娘ジェスへの態度や、ラストシーンのボーデンの表情で頭が混乱してしまう。

例えばコールド卿の正体を鉄格子の中から知ったボーデンが、連れられたジェスを心配するシーンの必死さは、一通り見終わった後にイメージされる動ボーデンとは少し違う印象を受ける。そのシーンだけなら、どう見ても「実娘の行く末を心配する父」だ。
片割れの相手の女性への愛情(恋愛意外の感情も含めて)の薄さとは反対に、ジェスへの愛情は両ボーデンともに非常に強いものがある。(どうでもいい感は動ボーデンの方が強い気がするけど) それが混乱させられる要因の1つかもしれない。というより、混乱させるための演出ということかも。

自分の子供ではないけれど、動ボーデンの中に、ジェスを強く愛する気持ちが確実にある。ところが、逆にサラに対する情はかなり薄い。
彼女の精神状態が不安定になってから、動ボーデンのサラに対する感情が垣間見られるシーンに、遊園地でのファロンとボーデンが会話するシーンがある。サラが気づき始めているから努力してくれみたいなことを言うシーン(台詞忘れたから後で調べよう)。会話から、ファロンは動ボーデン。態度からも動ボーデンっぽいなと思わせる所が興白い。
それより前に、ファロンが呟くように言う「また買い物か 贅沢な女だ」という台詞がある。動ボーデンがサラのことを非常に見下している印象を受ける言葉。男女の情がないだけでなく、非常に軽蔑している感じを受ける(それはサラのマジックに対する姿勢にも原因があるんだろうけど)。こんな彼でも、もし自分の子なら娘への愛情は深いとも考えられるんだけど、これが静ボーデンの子となるとどうなのかなって思う。
何だかちょっと疑問――というか分からないというか、見てる側を混乱させるためのものという気がしてしまう。実際、後で触れるけど赤ちゃんに対しては結構冷たいシーンもあったから。大きくなるにつれ、どんどん可愛くなったんだと考えられなくもないし、その時の気分で当たったりするような性格なのは分かるけど、ジェスへの態度は、そんな気分で変化するような愛情とは違うように映るので、妙。

サラの自殺の原因は、結局この動ボーデンの心理状態と静ボーデンとの愛情の差に不安を覚えたのがそもそもの始まりだろうと思う。勿論オリヴィアもそうだろうけど、妻子ある男性との恋だと最初から分かっている点では、オリヴィアの方が強くいられたかもしれない。

サラはどこまでボーデンの秘密を知ってたのか?
2人いると思っていたのか、2つの人格があると思っていたのか、それとも理由があって演技をしていると思っていたのか。敢えて仕事場(事務所だったっけ)を死に場所に選んだことは、自分よりマジックを愛する(動)ボーデンへの当てつけだったり、憎しみだったりすると思うんだけど、2人いると思っていたら、そこを敢えて選ぶのかな‥‥そうじゃないから選んだと言える気もするなぁとも思ったけど、サラが2人いると思っていたとしても――
自分へ秘密を話してくれない静ボーデン。静ボーデンが愛しているのはサラだけど、動ボーデンと作り上げるマジックのために2人だけの秘密は他者に語られることはない。自分と動ボーデン、自分とマジックを天秤に掛けて、動ボーデンやマジックの方が重いのだと、サラは思ってしまったのかもしれない。いや、実際重かったんだろうからなぁ。言ってくれなかったんだから。だからこそ、作業場を選んだ――そう考えたら説明は付くな。解釈は色々だろうけど。

タネは内緒だ
みんな知りたがるけど――
教えたとたん みんな去る
みんな 去る
引用元:ボーデンの台詞(プレステージ字幕)

この言葉を覚えていたなら、サラも少しは我慢できたんだろうか。女は「なぜ」を知りたがる。

今日は私よりマジックが大事
その違いを知りたい
そうすれば本当の日を大事にできるから
引用元:サラの台詞(プレステージ字幕)

解る気もする。でもこう言っておいて、知ったことで新たな不満が生まれることもままあることである‥‥( ̄ ̄▽ ̄ ̄)ょね。

サラに銃弾つかみのマジックを見せたのは?
動ボーデン。前述のサラ台詞はこの時のもので、それが分かる。ファロンを初めてサラに紹介したこの時、子供が出来たと言われて思わず言ってしまった言葉も納得だし、帰る時のファロンの様子も納得。何かおかしいと気づいた戸惑いの状態からもう少し進んで、確信を持ってる様子だから、それまでもボーデンだけの姿で交替で出現していたんだろうな。このシーンで、ボーデンはサラに銃弾つかみのタネを明かしている。静ボーデンはこんなことは元々しなかっただろう。でも恐らくこれ以降、動ボーデンもサラにタネを教えることはしなかっただろうと思う。不快にさせるような台詞をサラが言ってしまうから。
サラの自殺後のシーンで、オリヴィアに対し2人いることをほのめかすような台詞を動ボーデンが言っている。

銃弾つかみのマジックの際に先に指を失ったのは?
静ボーデン。自宅のシーンからの流れで暫く勘違いしてたけど、よくよく見たら全然逆だった。どこ見てたんだろう‥‥。そもそもアンジャーの問いに「覚えてない」――そう、そう言ってるんだ、ボーデンは。それが理由の1つ。やっていなければやっていないと答えるはず。やったならやったと言うだろう。それを言わないということは、そもそもそこに居なかったから。静ボーデンはごまかすのが下手というか、適当にあしらったりが出来ない性格なんだろう。サラの甥が小鳥が消えるマジックを見た時の静ボーデンの受け答えにそれが表れている。
そして、マジックの腕は同等程度なのかもしれないけど、客への見せ方や芸人としてのセンス的な部分では、動ボーデンの方が舞台向けなのかもしれない。このシーンでのボーデンは非常に固く、客を上手くあしらえない。それも理由の1つ。
傷口が痛いとサラに訴えるシーンでは、子供が起きて泣いていることをサラが言っても「いいさ」と言う。この冷たさが静ボーデンとは思えないし、犠牲が必要と考える彼ならじっと我慢するだろうし。

何となくだけど、動ボーデンは大掛かりな仕掛けのマジックや人目を引くマジックを追い求め、静ボーデンはテーブルマジックなどを好んでする気がする。

ここで映画の序盤へ戻る。

熱くマジックについて語っているボーデンは?
動ボーデン。結び目を2重にしたことを注意されている。「銃弾つかみ」が人目を引く出し物だと感じている点からも、後に出てきたシーンとも符合するし。そもそもどちらが2重にしたのか迷うことは、罪もない片割れを絞首刑の送ったかもしれないという可能性を生むので、そのことに全く作品中で触れられていない以上はちょっと考えられない。相手を馬鹿にした態度が見られることからも、動ボーデンだと思える。

じゃぁ、チャン・リン・スーの舞台を見に行ったのは?
筋には全然関係ない部分で、どうでもいいことなんだけど考えてみた。
静ボーデンに思える。奇術のために日々を犠牲にしているチャン・リン・スーの姿に、ある意味尊敬の念すら抱いているような口ぶり。そのことは「そこまでして初めて成し遂げられる」という言葉からも窺える。動ボーデンなら違った言い回しだったんじゃないかな。尊敬するという姿勢は彼の中に見えてこない。
「犠牲」というキーワードは、静ボーデンの中では非常に大きい意味があるみたいで、ラスト近くでも出てくる。偉業を成し遂げるには犠牲が必要――静ボーデンにとって、「犠牲」とは自己犠牲なのか人身御供的ものなのか‥‥。本人は前者の方ばかり気にしていたかもしれないけど、家庭が1人では作れない以上、自己犠牲だけでは済まされないわな。

オリヴィアがボーデンの作業場へ行った時に会ったのは?
後の方で出てくるアンジャーが日誌を読むシーンから、動ボーデンだと分かる。

ルートをそそのかしたのは?
動ボーデンだと思われる。アンジャーが日誌を読むシーンでルートの話が出てくる。日誌でこのことに触れているのは動ボーデン。だからといって、この流れの1つであるルートとの会話の部分もそうだとは言い切れないけど、静ボーデンに彼を誘導するような話術があるのかが疑問だし、話が現実にあったことかどうかが疑問、替え玉の話は。あとは表情かな。欲深な人間はヒントを与えてやればいい。ルートに仕掛けた言葉のマジックは見事に成功した。

荒らされた作業場に立つボーデンとファロン。ボーデンはどっちのボーデン?
分かりにくいけど、日誌のことを問いかけているので、静ボーデンなのかと思われる。

アンジャーの舞台に登場し、パンテージズ劇場の宣伝をして去っていたのは?
動ボーデンだと思われる。これは性格的な点でそう思う。言葉は丁寧だが非常に小馬鹿にした態度。こういうふざけたことが出来、実際笑いを取れるのは動ボーデンだろうと思うから。客席にファロンの姿も見える。静かに笑っている。

生き埋めにされたファロンは?
静ボーデン。ファロンを助けた後の4人での食事シーン――サラを苛つかせるような態度を取っている事から動ボーデンだと分かる。その彼が(「今日は」と言っている事から、ファロンが閉じ込められた翌日の夜と思われる)今日は ひどい日だった とても大事なものを失いかけた」と言っているし、これより後の、アンジャーが日誌を読むシーンでキーについての記述がある。
by dugong156 | 2009-03-22 22:51 | 映画など